SONY、次世代移動サービスMaaS向けブロックチェーン基盤BCDBを開発

SONY、次世代移動サービスMaaS向けブロックチェーン基盤BCDBを開発

SONY、次世代移動サービスMaaS向けブロックチェーン基盤BCDBを開発

SONYは、次世代移動サービス 「MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス)」向けブロックチェーンデータベース基盤 BCDB (ブロックチェーン・コモン・データベース)を開発したことを発表した

SONYが独自で開発した BCDB の特徴として挙げられるのがデータの高速処理であり、この技術により一日あたり700万件以上の利用者が匿名化された移動履歴と収益配分の記録、共有を可能とする。

BCDB は MaaS での活用に限らず様々な領域への応用ができる為、スマートシティ構想での活用も視野に入れているという。

MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス)とは

MaaS とは、運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念であり、次世代の交通システムとして今世界中で脚光を浴びている。

具体的には、電車やバスなどの公共交通機関からカーシェアリング、配車サービス、レンタル自転車までありとあらゆる交通手段をITやクラウド技術で統合し、利用者のニーズに沿ったサービスの組み合わせを予約から決済まで一括して提供するサービスだ。

実証試験の要件クリアはSONY独自開発のBCDBのみ

現在様々な事業体が、MaaSの推進に向けて施策を展開している。

SONYは昨年2019年にオランダ・インフラ水管理省が公募した「ブロックチェーン・チャンレンジ・プログラム」というブロックチェーン技術を MaaS 向けに活用し、大規模な移動履歴と収益配分の記録、共有を実現した業界初の取り組みに参画し、今年2020年3月までの期間 BCDB の実証試験を行っていた。

同実証実験における、オランダ・インフラ水管理省の要件をクリアしたのは、参加者の中でSONYだけだったという。

また、BCDB は様々なセンサーデータの記録、共有などへの応用も期待されており、スマートシティ構想に向けた施策検討に寄与すると考えられている。

同プログラムで実証実験を行った BCDB には拡張性が備わっており、より高速なデータ処理化も可能であるため大都市の交通事業者も活用することができると説明されている。

ブロックチェーン技術のさらなる普及を目指す

SONYはグループをあげてブロックチェーン技術を用いた様々な分野への応用、開発を進める。

2017年8月にはブロックチェーン技術による「教育データの認証・共有・権限管理システム」を開発、2018年10月にはブロックチェーン基盤を活用した「デジタルコンテンツの権利情報処理システム」に加え、ICカードを利用した「仮想通貨ハードウェアウォレット技術」を開発するなど、スマートシティ構想を視野に入れたブロックチェーン技術の多様な分野での可能性を模索しているという。

国内では大手自動車メーカーであるトヨタ自動車もブロックチェーン開発に本格的に参入しており、2020年1月に「あらゆるモノやサービスがつながる実証都市“コネクティッド・シティ”プロジェクト」を発表。

自動運転、MaaS、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、AIなどを導入・検証できる実証都市の建設に向けた準備段階である。

ブロックチェーン技術を用いた MaaS への取り組みが計画通りに進み、より便利な交通手段として実用化されていくことが期待される。