ロシア最大の銀行Sberbankがブロックチェーンで旅行代理店の支払いを自動化へ
ロシア最大の民間航空会社であるS7航空は、同国最大の銀行であるSberbankと提携し、分散型台帳技術(DLT)を通じて旅行代理店の支払いを自動化することを明らかにした。
この統合により、Sberbankのアカウントを持つ旅行代理店が、実際の顧客アカウントに関連付けられたトークンを使用し、スマートコントラクトを通じて、航空会社と即座に決済を行うことができるという。
ブロックチェーンを活用し、決済をシームレスに
これまで旅行代理店は、銀行の保証と前払いを使用し航空券を発行する必要があったが、ブロックチェーンを使用することで支払いのプロセス全体を自動化することができる。
これにより、旅行代理店は銀行保証や前払いなどの煩わしい手続きをなくすことができるうえ、それにかかるコストを削減することができると説明する。
また、Sberbankブロックチェーンプラットフォームとの統合だけでなく、銀行の既存の内部製品であるFintech APIへの接続も実装したと報告されている。
Sberbank理事会の副議長であるAnatoly Popov氏は次のように説明している。
「SberbankとS7航空の共同プロジェクトの独自性は、ロシア初のブロックチェーンプラットフォームでの決済がクライアントのアカウントの資金によって保護されたトークンを使用して実行されることです。
仮想アカウントユニットの使用により、Sberbankは多くの技術的な問題を解決し、ユニバーサルトークン化プラットフォームを作成できました。
同時に、トークンの発行プロセスは多くの可能なプロセスの1つにすぎません。
また、「変換」のプロセスは本質的にかなり技術的であり、ユーザーにとってシームレスかつ気付かないほど発生する可能性があります。」
S7 航空のブロックチェーンプラットフォームは、チケットの予約から銀行支払いの実行まで、オンラインで支払いを行うためのインフラストラクチャを作成した初のプロジェクトであり、プラットフォームの実装により、操作の安全性を保証しながら、決済のスピードを上げ、事務処理を減らすことが可能になったという。
2021年よりデジタル金融資産関連法施行
ロシアではプーチン大統領が7月31日にデジタル金融資産関連法(On Digital Financial Assets:DFA)に署名した。
同法案は2021年1月1日に施行され、これにより暗号資産(仮想通貨)を決済用途で使用できなくなるなど、デジタル資産に関するルールが明確化される。
それを受けSberbankがルーブルに連動するステーブルコインを発行する可能性も浮上しており、暗号資産やブロックチェーン関連ビジネスにとっては良い影響を与えると考えられており、ポジティブに捉えられているようだ。
ロシア国内での今後の動向に注目が集まります。