EY Japanがブロックチェーンを活用した日本酒のトレーサビリティを確立
四大会計事務所の一つでロンドンに拠点を置くEY(Ernst & Young)の日本支社「EY Japan」が、日本酒と果物のブロックチェーンによるトレーサビリティシステムにより、原産地や配達記録などの情報を消費者が共有できる「SAKEブロックチェーン」の開発を計画していることが「Asian Nikkei Review」で報じられた。
品質管理と偽造品への対策
本システムでは、最終消費者がQRコードを読み込むことにより、製品の成分、醸造所の詳細、流通過程での温度記録等の品質管理情報などを確認することができ、その日本酒に合ったおすすめの食品などの情報も受け取ることが可能だ。
また、海外では日本酒ブランドの瓶のデザインをコピーしたり、中身だけを安物に入れ替えた偽造品が多く流通しており、これらの防止策となることも期待される。
2015年には、日本IBMや凸版印刷株式会社が主導する「日本酒物流可視化プロジェクト」として、キャップ開封検知機能付きのICタグによるトレーサビリティの実証実験なども行われていた。
日本酒の海外での需要拡大
日本酒の国内出荷量が減少傾向にある中、海外では日本食ブーム等を背景に需要が拡大しており、ここ10年で輸出量は倍増、輸出金額は3倍超となる234億円にも上り、10年連続で過去最高額を更新している。
輸出先としては、金額・数量ともにアメリカが一番多く、続いて韓国、中国、台湾、香港などのアジア諸国がランクインしている。これらの国々やヨーロッパを含め、様々な日本酒に関するプロモーション活動やイベントが開催されており、今後も海外での日本酒人気は高まっていきそうだ。
「SAKEブロックチェーン」については、新型コロナウイルスの状況が落ち着き次第展開を進めていく方針だ。