教育×デジタル技術「エドテック」、大学などで始動へ
22日、大学などで教育とデジタル技術を組み合わせた「エドテック」の活用が広がり始めたことが、日本経済新聞の取材で明らかになった。
人工知能(AI)で学生ごとに最適な科目を推薦したり、学習履歴を「見える化」して学びの動機づけにしたりし、AI時代を担う理工系人材の育成に役立てる。ただ教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)は欧米より大きく遅れ、普及には課題も多い。
FFGアントレプレナーシップセンター、ブロックチェーン技術活用しデジタル証明「オープンバッジ」発行へ
「エドテック」の活用事例として、長崎大学の起業家育成拠点「FFGアントレプレナーシップセンター」は、「技術マーケティング」などの履修者にデジタル証明「オープンバッジ」の発行を始めています。
単位になる正規授業でのバッジ発行は国内の大学で初めてといい、2020年度は延べ約350個を発行する予定。
ブロックチェーン技術が導入されているオープンバッジには、科目名などのデータが収められ、ウェブで共有でき、世界では大学や企業から年4300万個が発行されている。
長崎大の上條由紀子教授は
「成果がバッジで見える化され、学生の動機づけになる。他大学の起業家コースとの連携にも活用したい」
と話しています。
スタートアップのLasTrustは、学生の履修登録時に先輩たちからの助言が受けることができる、「iCan(アイキャン)」を開発し、関東の大学の協力を得て実証を進めています。
また大学側でも、授業ごとの出席率や学生による評価、受講者の就職先などのデータを提供し、学生が学びたい分野や進路希望を登録すると、AIが自動で最適な授業を選び推薦するシステムを導入している。
アプリにはSNS(交流サイト)に似た機能もあり、趣味などを登録すると仲間をつくることも可能とのことです。
LasTrustの圷健太代表は
「新型コロナウイルスの影響で通学が減り大学になじめない学生が増えるなか、退学の防止に役立てたい」
と語っています。