DBSとスタンダードチャータードが新たなブロックチェーンプラットフォームを開発
シンガポール最大級の多国籍メガバンクDBS銀行が、スタンダードチャータード銀行と共同で、ブロックチェーンによる貿易金融プラットフォームTrade Finance Registry(TFR)の概念実証(POC)を実施したことを発表した。
シンガポール当局のサポートのもと実施
このPOCは、シンガポール銀行協会(ABS)とシンガポール企業庁(ESG)によってサポートされ、DBS銀行とスタンダードチャータード銀行が主導し、その他12の銀行を含むワークグループの協力のもと作成および実施された。
TFRは、シンガポールの銀行間で融資された貿易取引の記録にアクセスするための安全な中央データベースとして機能することにより、銀行業界のユーティリティになることを目的として開発された。
TFRの導入により、例えば同じ取引在庫に対し、異なる銀行から重複して資金を調達するなどの不正が抑制され、銀行とトレーダーの間の信頼を高めることができる。
貿易詐欺のリスクが軽減
DBS銀行の貿易商品管理のグローバル責任者であるSriramMuthukrishnan氏は、数か月以内にPOCの開発に成功したことにより、融資慣行の透明性とセキュリティが強化され、貿易詐欺のリスクが軽減されたとし、次のようにコメントしている。
「TFRは、ますますデジタル化する貿易の未来に向けて前進する中で、業界の安全な運営環境を確保しながら、シンガポールの銀行セクターにおけるコラボレーションと貸付慣行の強化を通じて透明性を高めるための重要な一歩を示しています。」
POCの完了後、DBS銀行とスタンダードチャータード銀行はABSと協力し、TFRを業界ユーティリティとして実装し、シンガポール内の貿易金融慣行を強化した上で、グローバルに拡大することを目指していく。