DBS銀行がCordaのブロックチェーン貿易金融ネットワーク「Contour」に参加

DBS銀行がCordaのブロックチェーン貿易金融ネットワーク「Contour」に参加

DBS銀行がCordaのブロックチェーン貿易金融ネットワーク「Contour」に参加

シンガポール最大級のメガバンク「DBS銀行」が、R3のCorda(コルダ)上に構築される、ブロックチェーンを活用した貿易金融ネットワーク「Contour(コンツアー)」に参加することを5月11日発表した。シンガポールの銀行としては初の参加となる。

2018年にプロジェクトが発表されたContour(旧名称Voltronから2020/1月に名称変更)は、R3のCorda上に構築されるブロックチェーンベースの貿易金融プラットフォームであり、バンコク銀行、BNPパリバ、CTBCホールディング、HSBC、ING、 NatWest、SEB、スタンダードチャータード銀行などの大手金融機関が創設メンバーとして参加している。

信用状(L/C)などグローバルトレードプロセスのデジタル化に特化

Contourのネットワークは、煩雑で時間のかかることの多い信用状(L/C)の作成、交換、承認、発行などのデジタル化プロセスに重点を置いており、これによって取引の効率性を高め、企業顧客の戦略的価値を引き出すことを狙いとしている。

また、新型コロナウイルスの蔓延による影響についても触れ、次のようにコメントした。

Covid-19の状況下での「非接触型」バンキングの需要により、この期間中、取引プロセスのデジタル化はすべての参加者にとってますます関連性が高く、優先度が高くなっています。

デジタル化の成功により注目を集めるDBS銀行

DBS銀行は2009年頃からデジタルトランスフォーメーションに着手しており、データセンターの増設やセキュリティーオペレーションセンター、モニタリングセンターの設置を行うとともに、エンジニアリングやテクノロジーのアウトソース依存からの脱却に積極的に取り組み、デジタルバンクになるためのインフラやプラットフォームを構築してきた。

今回Contourのデジタルソリューションを利用して、電子取引やタイトルドキュメントの転送を含む完全なデジタルエンドツーエンドL/C決済プロセスを顧客に提供することが可能となる。これにより、決済時間や事務処理が軽減され、複雑な取引プロセスが簡素化される。また、L/Cの精度向上と透明性の確保も期待できる。

ContourのCEO・Carl Wegner(カール ウェグナー)氏は次のように述べている。

「より多くの金融機関がベータネットワークに参加することで、ブロックチェーンソリューションが貿易金融に提供できる可能性を最大限に発揮できます。L/Cの発行プロセスの効率化は、業界のアップグレードに不可欠です。私たちのネットワークを通じて、銀行や企業がプラットフォームで共有された透明性を活用し、貿易金融業界にとってこれまで以上に重要な情報をデジタルで管理できるようにすることができます。」