AI開発企業が、AIの学習過程をブロックチェーンで管理するプラットフォームを開発
東京を拠点にAIなどを開発するクーガー株式会社が、AIの学習履歴や動作などの学習過程をブロックチェーンで管理し、動作検証を行うことができるAIモデル管理プラットフォーム「Gene Flow(ジーンフロー)」のβ版を提供開始することを発表した。
管理面のコスト削減と、信頼性の向上
管理プラットフォームをブロックチェーン上に構築することにより、大幅なコストの削減と、クライアント企業などに対し、AIモデルの学習履歴やプロセスを明示することが可能となり、AIモデルの信頼性や、精度の透明性を高めている。
GeneFlowの機能特徴
出典:COUGER公式HP
クライアントとしては、AIの開発企業や研究機関、研究審査機関およびAI技術コミュニティなどを想定している。
XAIによりプロセスの透明性を確保
2018年、クーガーは「XAIプロジェクト」として、GeneFlowの α版をリリースしており、スタンフォード大学での公開講義における発表や、中部大学との共同実験を通じ、プラットフォームの開発を進めてきた。
XAI(Explainable AI:説明可能なAI)とは、予測結果や推定結果に至る過程を、人間によって説明することが可能な機械学習のモデルを意味する。
通常AIの主にディープラーニング等の機械学習によって導き出された結果は、どのような根拠に基づいたものなのかを論理的に説明することが難しく、中身がブラックボックス化してしまい、クライアント企業が安心して使うことができないという問題があった。
これを解消するために生み出された技術がXAIだ。
GeneFlowでは、AIの学習データや学習アルゴリズム、生成されたAIモデルおよびそのAIモデルによる実行履歴をブロックチェーンに記録、管理することで、プロセスの透明性を担保している。
また、GeneFlowで作成されていない既存のAIモデルに関しても、GeneFlowにアップロードすることで、同様に精度や実行履歴の管理が可能となる。
近年さまざまな業界でAIとブロックチェーンを組み合わせた技術やサービスが拡大しており、今後の発展にも注目したい。