パンデミックによりアジアでブロックチェーンの導入が進む!

パンデミックによりアジアでブロックチェーンの導入が進む!

パンデミックによりアジアでブロックチェーンの導入が進む!

昨今のコロナウィルス感染症のパンデミックによる影響で、多くの企業がオンラインでのビジネスを強いられ、リモートワークを導入し始めている。

日経アジアンレビュー(Nikkei Asian Review)によると、この状況下によりハッカーなどによるサイバー犯罪が増加し、より大胆になっていることが、アジア諸国でのブロックチェーン技術の採用に拍車をかけているという。

ビジネスリサーチカンパニー(The Business Research Company)の調査によると、2020年のグローバルブロックチェーン市場は22.7億ドルに後退したにも関わらず、2023年には158億8000万ドルに達するとみられており、年間成長率は91%以上になる見込みであるという。

国内でも求められるデジタル化

PwCコンサルティングのシニアマネージャー丸山智宏氏は、コロナウィルス感染症がもたらしたデジタル変革が、詐欺や不正を防止するためブロックチェーンの使用を促進したと考えており、「パンデミックの後に、より多くの企業がブロックチェーンを採用すべきだ」と述べている。

また、丸山氏は日経アジアンレビューに、デジタル文書の偽造が容易であるとし、次のように述べている。

「インターネットの海賊行為は、企業がデジタル化を目指す企業にとって大きな課題となっている」

「ブロックチェーンはデジタル偽造と戦うためのソリューションとして浮上し、企業にテクノロジーの採用を促しました。」

日本のスタートアップ企業LasTrustのCEO圷健太氏は「コロナウイルスの発生以来、多くの問い合わせが寄せられている。」と語る。

LasTrustは、「CloudCerts(クラウドサーツ)」というブロックチェーンによるデジタル証明書サービスを昨年9月から開始しており、大学の卒業生に学業成績証明書と卒業証書を無償提供していた。

大学側は以前からデジタル化を検討していたが、パンデミックにより導入を急ぐこととなったという。

また、暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフライヤーを運営するbitFlyer Holdingsは、株主総会にオンラインで出席し、投票できるアプリを開発した。

マイナンバーシステムとリンクさせるブロックチェーンベースのアプリにより、なりすましなどの不正を防止することができる。

アジア諸国で進むデジタル化

コロナ禍の状況下により、他のアジア諸国もブロックチェーンに目を向けている。

シンガポールを拠点とする農産物および食品ソリューションプロバイダーであるアグロコープインターナショナルは、世界最大級の食料貿易会社であるカーギルや、シンガポールのブロックチェーンスタートアップであるDltledgersなど、多くのロジスティクス企業とのパートナーシップを発表し、国が封鎖され混乱した農業サプライチェーンを把握していた。

アグロコープインターナショナルによると、最大1か月を要する従来の紙ベースの取引が、ブロックチェーンを使用した取引では、5日で決済が完了するという。

また中国では、アリババグループのオンラインヘルスケアプラットフォームXiang Hu Baoが、コロナウイルスによる死亡時に最大10万元(約14,000ドル)を支払うサービスを導入した。

同社の広報担当者は「詐欺と透明性の欠如は、相互扶助のプラットフォームが必要とする人々に効果的に利益をもたらすことを困難にした」と述べた。

しかし、アリペイのブロックチェーン技術により、「透明性」を確認し、毎日10億件のトランザクションを処理できると付け加えている。