慶応義塾大学、国内企業と協力し就職活動にブロックチェーン技術を利用! 

慶応義塾大学、国内企業と協力し就職活動にブロックチェーン技術を利用! 

慶応義塾大学、国内企業と協力し就職活動にブロックチェーン技術を利用!

11日、慶応大学は国内スタートアップ企業と手を組み、ブロックチェーン技術を就職活動に利用する取り組みを月内に始めることが、日本経済新聞の取材で明らかになった

就職活動には学生の個人情報が多く溢れるため、学生個人の個人情報が企業から漏洩する恐れもある。そこで暗号化技術を使って学生の情報を守り、企業が勝手に情報を持ち出したり、利用したりすることができない仕組みをつくることが狙いだ。

 標的とされる個人情報 

世の中で個人情報の保護が求められる中、企業には毎日多くの情報が集まる。就職活動の際の学生データ(エントリーシート、履歴書など)も、企業が安全に保護しなければならない情報であり、企業が情報を安全に取り扱うことへのニーズが高まるなか、就活向けの新たなサービスの基幹技術として採用を働きかける。

 今回の就職活動での学生と企業のやり取りにブロックチェーン技術を導入する取り組みは国内では初めてという。まずは三菱UFJ銀行、SOMPOホールディングス、住友生命保険の3社が参画することが決定しており、慶応大学では更なる追加の参加企業をつのり、今年度内に参加企業を20程度に広げるねらいだ。

ブロックチェーン技術がもたらす効用

ブロックチェーン技術は情報を暗号化してやり取りするため、改ざんの心配が限りなく少ない。そして仮にデータが流出した場合でも危険が少なく、仕組みへの参加者が自分の情報の閲覧履歴を確認できるのが特徴である。今回の取り組みでは、学生自身が自分の情報をどの企業にどんな内容で提供されているか確認することができ、かつ提供する情報の内容を自分で選ぶこともできるという。

就職活動における安全なデータの管理の必要性はニーズが日に日に高まっており、背景には就活サイト「リクナビ」が内定辞退率を本人に無断で販売した問題が19年に発覚したことが考えられる。データが流出したことにより、自分のデータがどこで、どのように使われているかを警戒する学生が増えた。そこで、慶応大経済学部でフィンテックを研究する「フィンテックセンター」がリクナビ問題を受け、ブロックチェーン技術を就活に活用する計画を進めることにした。

今回の取り組みは、ブロックチェーン技術の導入によりデータの安全性を守る仕組みとしては大変有用であるが、プラットフォームに育つにはまだ課題を残しているといえる。大学ごとに成績などを管理するシステムは異なり、仕組みと連携するための開発は簡単ではない。統一化された企画として成長していくにはまだ時間を要することだろう。これからの統一化されたシステムの発展にむけ、他の企業や大学間の協力が不可欠であるとも考えられる。