ブロックチェーンサプライシステム、半導体関連の業界団体全体に導入へ!

ブロックチェーンサプライシステム、半導体関連の業界団体全体に導入へ!

ブロックチェーンサプライシステム、半導体関連の業界団体全体に導入へ!

9日、半導体業界が製品の製造履歴や納入先の把握のためにブロックチェーン(分散型台帳)を使ったサプライチェーン(供給網)を管理するシステムづくりに着手することが日本経済新聞の取材で明らかになった

半導体関連の業界団体には約2000社が参画しており、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が運営を主導している。今回参画企業のうち約900社でシステム運営の枠組みを構築し、2021~22年からの実用化を目指す。

 業界全体でブロックチェーンシステムが求められる理由

半導体は自動車や医療機器などの製品に導入されており、私たちの生活に必要不可欠なものとして幅広く使われているため、品質管理の徹底をすることについての重要性が増している。

現状は半導体や電子部品の製造プロセスは国際的な分業が進み、企業が単独で全体像を把握するのが難しいという状況もあり、プロセスの明確化などが問題視されてきた。

また、メーカー名や品質を偽るなどした米製半導体の偽造品の流通総額は75億ドル8千億円)に達するとの調査もあり、新型コロナウイルスの影響による供給網の寸断の影響を軽減させようと各社が在庫を確保したところ、品質の悪い偽造品が紛れ込むといったケースもあったという。

今回業界全体で統一ルールを作成しブロックチェーンサプライシステムを稼働させることにより、半導体製品の製造履歴や納入先を把握し、偽造品や環境問題を抱えるものを排除することが目的とされている。

 ブロックチェーンサプライシステム管理

ブロックチェーン技術は複数のコンピューターで取引記録を共有し、互いに監視しながら記録を蓄積するため、データの書き換えは事実上不可能であるという特徴を有する。

新システムは製品や半導体製造装置にラベルを貼り付けることにより管理を行い、このラベルをもとに製品がどこに出荷され、どの製造装置で加工されたかなどの把握をすることが可能になるという。

そして、ブロックチェーンサプライシステムに参画する企業は、システムにアクセスすることで、自社に供給された製品や部品が、偽造品ではない正しいものが納入されているかを確認することができる。

半導体は幅広い最終製品に搭載されていため、今後半導体の搭載が増える自動車などの別の業界団体と共通してこの仕組みを導入することも考えられるだろう。

また、最近では業界団体でブロックチェーン技術によるサプライチェーンシステムを導入する事例も多く報告されており、追跡可能性、真正性を備えたブロックチェーンシステムは、これからますます私たちの生活に安心をもたらしていく。