NEC、新開発した通信量削減装置「NEC AIアクセラレーター」にブロックチェーン技術を導入
NECは、「IoT」で課題とされている通信量を削減することを目的として新開発された、通信量削減装置「NEC AIアクセラレーター」にブロックチェーン技術を導入することが、2020年4月15日の日本経済新聞の取材で明らかになった。
「IoT」とは、インターネットを経由して通信機能を備えるあらゆる物に接続できる技術のことで、”Internet of Things”の略であり、物のインターネットと訳されており、物がインターネット経由で繋がることを意味しています。
「IoT」時代に求められるニーズ
現在通信機器が装備されている家電などが多く普及してきており、インターネットを通じた「IoT」サービスを利用することにより、その利便性は更に高まっている状況である。
導入の背景としては生活の利便性の向上が考えられるが、一方で通信機器にアクセスするためには多くの通信量が必要になり、この通信量を削減することが求められてきた。
NECは、課題となっていた通信量を削減することを目的として開発に取り組み、今回通信量削減装置「NEC AIアクセラレーター」の発表するに至った。「NEC AIアクセラレーター」は7月から提供を開始し、NECは運用を支援したり、セキュリティーを強化するサービスも併せて提供するとのことです。
「NEC AIアクセラレーター」の特徴
出典:NEC NEC AI Acceleratorの外観
NEC AIアクセラレーターは小型の装置であり、天井や壁に貼り付けて設置することが可能である。データをAIアクセラレーター側で高速処理することにより、「IoT」に伴うデータ通信量やクラウドへの負荷を削減する仕組みとなっている。
企業において入退社時などの顔認証に用いられるカメラ、扉・空調・エレベータなどのビル設備管理装置の管理に利用できる。
NECの顔認証技術は、東京五輪・パラリンピックの入場ゲート通過時において導入予定であり、生体認証システムに強みを持っている。
この生体認証システムを、今回発表されたNEC AIアクセラレーターと組み合わせることで、防犯カメラなどの管理に応用でき、防犯カメラに撮影された映像データから顔認証する際に顔部分のみを検出するという作業も可能になり、その結果通信量を最大9割以上削減することも可能であるという。
ブロックチェーンによるセキュリティーの強化
自社でNEC AIアクセラレーターの製造から販売、運用時における管理、廃棄時における機器の回収など、NEC AIアクセラレーター稼働時におけるデータを管理・追跡することで、運用データの真正性の確保に努める。
出典:NEC NEC AI Accelerator、セキュリティサービス概要
そして運用データをブロックチェーン(分散型台帳)で管理することにより改ざんを防止し、セキュリティーの強化につなげるとのことです。
すべてのモノがインターネットに繋がり、利便性が高まることにより我々の生活はより豊かになっていくことが考えられますが、一方でその状況を悪用しようとする者も必ず現れます。
今回NEC が発表した「NEC AIアクセラレーター」にブロックチェーン技術を導入することは、セキュリティーリテラシーの低い消費者を保護する上でも大変有用であるといえるでしょう。