英メガバンクHSBC、ブロックチェーン技術により紙ベースの私募債記録をデジタル化!

英メガバンクHSBC、ブロックチェーン技術により紙ベースの私募債記録をデジタル化!

英メガバンクHSBC、ブロックチェーン技術により紙ベースの私募債記録をデジタル化!

イギリスに本部があるメガバンクのHSBCは、紙ベースで記録されていた私募債情報のうち100億ドル分をブロックチェーンプラットフォームを利用してデジタル化したことがCoindeskの取材で明らかになった

用いられたブロックチェーンプラットフォームは「Corda」と呼ばれ、主に企業間取引を想定とした、エンドユーザー目線から開発されたブロックチェーンプラットフォームです。

「Corda」は金融機関が求める高いセキュリティー対策とプライバシー保護という要件に基づいて設計されており、そのニーズを満たすために開発が行われました。

HSBCは当初、今月末までにプラットフォーム上に200億ドル分の私募債情報を投入すると発表していたが、クライアントの要求を更に満たすため、プラットフォームの機能を向上させる取り組みを行っており、その結果約半分のデジタル化が行われることになりました。

※私募債(しぼさい)は社債の一種。新たな事業を始めるための資金調達が目的で手軽・低コストに発行できることが魅力の資金調達方法

ブロックチェーン技術を導入する目的 

ブロックチェーン技術は、改ざんをすることが出来ない技術であるため、高いセキュリティーとプライバシー保護が可能であり、通常はそのことがブロックチェーン技術を導入する目的とされていた。

HSBCの戦略責任者であるCiaran Roddy氏は、以下のように説明しており、ブロックチェーン技術に更なる価値を付け加えることを目的としている。

「ブロックチェーン技術を導入する目的は、通常の業務効率化やコスト削減だけではなく、リアルタイムでの顧客対応や情報にアクセスすることが可能になることだ」

ブロックチェーンプラットフォームの「Corda」を利用することにより、これまで電話で問い合わせが行われた内容を紙ベースで保存していたことがデジタル化することが可能となり、顧客自身もその内容確認のためにリアルタイムでアクセス可能になるという。

HSBCが思い描く未来

 HSBCは今回の私募債情報のデジタル化は単なる一つの分野のデータベース化をしたわけではなく、将来的にはブロックチェーン技術を用いて、ファンドなどの金融資産自体のトークン化を行っていくことも見据えている。

HSBCはこれまでも積極的にブロックチェーン技術の導入に取り組んでおり、私募債情報だけではなく、まだデジタル化されていない資産や断片化される可能性のあるセキュリティートークンなどにも焦点を当てて、金融機関が行う業務のよりよい手段として、今後もプロジェクトに着手していくとのことです。