明治安田生命、アステリア開発「出席型バーチャル株主総会ソリューション」採用を発表
26日、ソフトウェア開発のアステリア株式会社(東京・品川区)が開発したブロックチェーン技術を活用した「出席型バーチャル株主総会ソリューション」を国内大手保険会社の明治安田生命保険相互会社(東京・千代田区)が採用したことを発表した。
バーチャル開催でも投票集計や質問の公正性が担保されるブロックチェーン技術に着目
今回のサービスには不正がしにくいブロックチェーン技術が活用され「出席型バーチャル株主総会ソリューション」というサービスの提供を開始し、株主は総会の会場にわざわざ足を運ばなくてもインターネットを介して議決権の行使などができるメリットがある。
明治安田生命保険は12月に開催する「総代報告会」で同社のサービスの試験運用を開始し、翌年の「総代会」での運用を検討するという。
出典:Asteria
未だ収束の時期が見えない新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府が実施した成長戦略会議での議論やバーチャル株主総会促進に向けた経団連による提言など、翌年開催される株主総会ではバーチャル会場のみでも実施可能になるよう法整備が活発化している。
また、他社でもアステリアのサービス利用を検討するなど業績拡大への期待感が高まっているようだ。
アステリア株価、2年3カ月ぶり年初来最高値更新!
27日の東京株式市場では、アステリアの株価が一時、前日比154円(15%)高の1186円を付け、2018年9月以来2年3カ月ぶりの年初来最高値を更新した。
終値は132円(13%)高の1164円だったものの東証1部の値上がり率ランキングで9位だった。
ブロックチェーン技術を活用した株主総会の運営サービスを国内大手保険会社の明治安田生命が採用したとの発表をうけ、業績拡大を期待する買い注文が入ったようだ。同社の2020年4~9月期の純利益は2億3800万円と、前年同期の600万円から大幅な増益となった。同社はソフトの受託開発をしない方針などをとっており、市場からは高い利益率が好感された。
アステリアは異なるシステムやソフトをつなげる技術に強みを持ち、これを生かした製品がコロナ禍で需要をつかんでいる。例えば、在宅勤務の社員が自身のスマートフォンなどを使って社内データを共有できる製品を販売している。今後もアステリアの躍進に注目していきたい。