米大手銀行「JP Morgan」レポート、仮想通貨市場・ブロックチェーンへの展望を分析!

米大手銀行「JP Morgan」レポート、仮想通貨市場・ブロックチェーンへの展望を分析!

米大手銀行「JP Morgan」レポート、仮想通貨市場・ブロックチェーンへの展望を分析!

米国最大手の投資銀行JP Morgan Chase(JPモルガン)は、ブロックチェーン採用の速度、ステーブルコインの安定性、および最大のソーシャルネットワークであるFacebookのLibraプロジェクトの見通しを分析した74ページのレポートを21日に発行した。

銀行でのブロックチェーンは数年先

JP Morgan のレポートによると、分散型台帳技術(DLT)が銀行のビジネスモデルを変え、情報伝送の効率を高め、ストレージの信頼性とプロセスの耐障害性を改善できる長期的な可能性があるとして銀行や証券取引所などの企業で広範囲で使用されてきているが、ブロックチェーンの大規模な採用はまだ遠いと指摘している。

最低でも3〜5年先には、ブロックチェーン技術が広範囲で採用されるが、マクロ経済環境、法律や規制の枠組み、クロスプラットフォーム統合などの技術的課題などの課題が、今後の進展を減速させる可能性があると分析している。

仮想通貨Libraの見通し

JP Morgan は、仮想通貨Libraの決済システムとして実行可能性を評価しているが、短期流動性ファシリティがない場合にネットワークが安定した規模を達成できるか疑問視している。

※ファシリティ【facility】とは、施設、設備、便宜、融通、便利さ、などの意味を持つ

レポートでは以下のように記載されている。

Libraのような安定したコインは大きな成長する可能性があり、最終的に世界の取引活動の大部分を担う可能性もある。しかし、現在の設計や提案は決済システムを運用する上での詳細部分の構造は考慮されていない。

短期的な流動性ファシリティの場合、通貨を提供できる土台が安全にサポートされるよりも速く、取引活動が成長をおよぼすというリスクが生じる。

特に決済システムが渋滞するようなリスクは、深刻なマクロ経済的結果をもたらす可能性がある。

昨年10月にはJP Morgan のCEOであるJamie Dimon氏は、Facebookが構想する仮想通貨Libraについて、「きちんとしたアイデアだが、決して立ち上げることはできない」と発言していた。

JP Morgan は仮想通貨Libraのホワイトペーパーが発表がされる前にLibra協会の参加を断っていたと報道もあり、潜在的な能力は認めつつも当初から一貫してLibraに対する見解は否定的である。

ステーブルコインや仮想通貨市場分析

また、ステーブルコインについては、「世界は完全に民間資金を使用する準備ができている。私たちが法定通貨と考えるものも、大部分は民間で発行されてから」と述べている。

一方、JPモルガンは、ステーブルコインが中央政府による支払い方法として認められるためには、厳しい規制上の障害に直面すると考えています。

そして、仮想通貨市場については制度への参加の増加や規制された取引所への新しい契約の導入など、成熟し続けており、今後さらに発展するためには、仮想通貨取引への機関投資家の参加が非常に重要になってくると見解している。

ポートフォリオ分散化の観点では、仮想通貨の魅力の一つとして、従来の資産クラスとの相関性の低さがあげられ、ポートフォリオに組み込むことで効率性が上がる手段になると指摘した。