ビットコイン消失のマウントゴックス事件、元CEOに2審でも有罪判決

ビットコイン消失のマウントゴックス事件、元CEOに2審でも有罪判決

ビットコイン消失のマウントゴックス事件、元CEOに2審でも有罪判決

仮想通貨取引所Mt.Gox(マウントゴックス)の元CEO・マルク・カルプレス氏が問われていたデータ改ざんについて、11日東京高等裁判所は1審の地裁判決を支持し、有罪判決を言い渡した。

口座残高の水増し

2014年2月、当時最大の仮想通貨取引所マウントゴックスから大量のビットコインが流出し経営破たんした件(マウントゴックス事件)で、当時のCEOであるマルク・カルプレス氏は、顧客から預かっていた資金を着服したとして業務上横領や、社内システムのデータを改ざんし、口座残高の水増しを行った疑いなどがもたれていた。

業務上横領については、2019年3月の1審で無罪が確定していたが、2019年の2月から9月にかけて、カルプレス氏がマウントゴックス社の取引システムにアクセスし、サイト上にある口座に合計で3350万ドルが入金されたように改ざんしたとして有罪判決を受けており、これについてカルプレス氏は無罪を主張し控訴していた。

データ改ざんの動機

カルプレス氏側はデータの改ざんについて次のように主張した。

「取り付け騒ぎの発生による社の破たんを回避するために、会社の意思として行ったことだ。」

東京高等裁判所の後藤眞理子裁判長はこれに対し次のように発言しこれを退けた。

「カルプレス被告は残高の水増しについて、会社の意思で行ったとの主張をしているが、うそのデータを入力し、残高を不正に増やしており、会社の意思に反するのは明らかである。」

「データ改ざんは、過去に行った架空のビットコイン作成について隠ぺいするのが目的であり、不正にあたる。」

控訴棄却により、1審に続き懲役2年6か月、執行猶予4年が言い渡され、カルプレス氏側が上告するかどうかは今のところ明らかにされていない。