AirAsiaが世界初ブロックチェーンによる航空貨物デジタルネットワークを発表

AirAsiaが世界初ブロックチェーンによる航空貨物デジタルネットワークを発表

AirAsiaが世界初ブロックチェーンによる航空貨物デジタルネットワークを発表

マレーシアに本社を置くLCC(格安航空会社)大手「AirAsia(エアアジア)」の物流部門「Teleport(テレポート)」が、世界初のブロックチェーン上で実行されるデジタル航空貨物ネットワーク「Freightchain(フレイトチェーン)」を4月16日発表した。

リアルタイムでの配送予約が容易に

従来荷送人とその運送業者は、Eメールや電話、または仲介業者などを通じ、時間とコストをかけて貨物の確認、配送予約などを行っていた。Freightchainを利用することによりこの問題を解決し、AirAsiaの所有する247機の中から利用可能な貨物ネットワーク接続を即座に発見し、ブロックチェーンで送信および検証された入札を通じて、容易にリアルタイムでのオンデマンド予約が可能となった。

コロナ禍での医療品の輸送にも貢献

現在世界各地で新型コロナウイルスによる未曾有の事態がおきており、航空貨物においても救急医療品や機器のグローバルサプライチェーンを維持するには、リアルタイムで緊急の航空貨物の容量を透過的に入札して確認するソフトウェアが不可欠となっている。

Freightchainの最高技術責任者Vishal Batra氏は次のようにコメントしている。

「新型コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた、グローバルサプライチェーン内の不足な事態に、意識的にFreightchainを立ち上げました。

Freightchainのようなアジャイルソフトウェアプラットフォームは、急速に進化する環境の中で、不均一な需要と供給を結び付けるのに役立ちます。信頼と透明性が今まで以上に必要とされています。」

Freightchainの実装にあたり、インドのバンガロールから、直行便のないモンゴルのウランバートルへの医薬品貨物のテスト輸送では、運送業者の予約プロセスにおけるコストが大幅に削減され、時間は10倍程短縮された。

また、荷送人や運送業者のコスト削減や利便性の向上だけではなく、航空会社側にとっても、利用可能なキャパシティをリアルタイムで一覧表示することで、効率よく収益を増やす手助けとなる。

コロナ禍での医薬品や救命医療機器などの不足による深刻な事態は各所で見られており、このような革新的なサービスによる間接的なサポートに今後も期待したい。