投資ファンド向けブロックチェーンプラットフォーム「FundsDLT」、欧州金融機関が共同で立上げ

投資ファンド向けブロックチェーンプラットフォーム「FundsDLT」、欧州金融機関が共同で立上げ

投資ファンド向けブロックチェーンプラットフォーム「FundsDLT」、欧州金融機関が共同で立上げ

ヨーロッパのルクセンブルク証券取引所の他、クリアストリーム、クレディ・スイス・アセットマネジメント、ナティクシス・インベストメントマネージャーズが新たに参画して、2020年3月18日に「FundsDLT」を立上げることを発表した。

「FundsDLT」は投資ファンド向けのブロックチェーンプラットフォームで、分散型台帳方式により運営が行われており、元々はルクセンブルク証券取引所とその関連会社であるFundsquaerが開発したプラットフォームである。

イーサリアムを用いたブロックチェーン技術を活用することにより、資産運用会社に販売用の情報を提供したり、資産管理会社における資産管理や注文処理等を迅速に行なうことを目的とされていた。

FundsDLT」プロジェクトの必要性

 投資管理を行う際には、透明性の確保や業務改善のスピードが必要不可欠であり、金融業界全体の共通目標として、デジタル資産の運用を促進しなければならないという意識が必要になりました。

「FundsDLT」プロジェクトは、投資管理の際のデジタルトランスフォーメーションとして、ブロックチェーン技術の根幹であるプライバシー保護が重要な役割を果たします。

また「FundsDLT」のプラットフォームは、資産管理者やサービス提供者などの事業関連者のそれぞれのコスト削減にも貢献することが期待されています。

FundsDLT」の立上げ目的

「FundsDLT」は元々ルクセンブルク証券取引所が開発したプラットフォームですが、今回参画した金融機関にはそれぞれ参画する目的があります。

例えば、クリアストリームのCEOであるフィリップ・セイル氏は以下のようにコメントしている。

「FundsDLTは、投資ファンド販売の際における多くの処理手続きを簡略・合理化するために必要な取り組みである。

今回の投資は、当社のデジタル戦略における重要な一歩であり、現在提供している商品であるVestimaを補足・強化するものである」

また、ナティクシス・インベストメントマネージャーズのグローバル・オペレーティング・オフィサーのジョセフ・ピント氏は、次のようにコメント。

「投資ファンド業界においては、デジタルトランスフォーメーションとして投資に対する透明性を高め、業務効率を向上することが急務であると思われます。

FundsDLTは、これらの目的を実現するためにブロックチェーン技術が重要な役割を果たし、投資家に対して更なる優れたサービスを提供することが可能になります」

今回の「FundsDLT」の立上げでは、元々あったブロックチェーン技術が基になっており、今後も独自で開発を行ったブロックチェーン技術をさらに発展させることにより、関連する業界全体で共同プロジェクトとして活用を行っていく事案も増えてくることが予想されます。