G20、グローバル・ステーブルコインの規制上の課題について改めて言及

G20、グローバル・ステーブルコインの規制上の課題について改めて言及

G20、グローバル・ステーブルコインの規制上の課題について改めて言及

今月22日から23日にかけて、サウジアラビアの首都・リヤドで開催された、20か国財務大臣・中央銀行総裁会議の共同声明にて、グローバル・ステーブルコインの規制上の課題について改めて言及された。

マネーロンダリングやテロ資金供与に対する懸念

声明では、「技術革新は、金融システムや、より広い範囲で経済にとって重要な便益をもたらし得る」との見解を示しながらも、「金融の安定と消費者及び投資家の保護、マネーロンダリングやテロ資金供与などへの対策、及び通貨主権に関する問題など、金融の技術革新に伴うリスクについて引き続き警戒する。」としている。

また、テクノロジーの革新による潜在的な便益を認識しつつも、ステーブルコインや、その他の暗号資産など、システム上大きな影響を与える可能性のある類似のプロジェクトが、政策や規制上において極めて重大なリスクを生じさせることについて、サービスの開始前にしっかりと吟味し、適切に対処することが必要だとの認識を示した2019年10月の声明を再確認した。

また、マネーロンダリングやテロ資金供与対策におけるFATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)を主体とする基準設定を支持している。

「FATF型地域体のグローバルネットワークを強化することについて再確認し、世界的規模でのFATF基準の完全で効果的かつ迅速な履行を求める。」

同時に、送金を含む、より安価で迅速な資金移動を促進するよう、グローバルなクロスボーダー決済の改善必要性を認識し、2020年10月までにロードマップを作成するとした。

中国のデジタル人民元について麻生財務相が懸念

会議後にリヤドで開かれた記者会見で、中国が年内に行うとみられているデジタル人民元の導入について、麻生財務相は、以下のように言及している。

「中央銀行が発行するデジタル通貨については、きちんとした規制を行なわなければ非常に大きな危険がある。」

特に中国が発行した場合、中国国内での使用のみにとどまらず、中国の巨大経済圏構想の一帯一路政策などと複雑に絡み合う可能性もあり、また、マネーロンダリングなどへの悪用で、世界経済が混乱する事態は断固回避しなければならないとし、各国にそのリスクを認識するよう呼び掛けた。