オープンソースの分散型台帳フレームワーク「Hyperledger Fabric v2.0」がリリース

オープンソースの分散型台帳フレームワーク「Hyperledger Fabric v2.0」がリリース

オープンソースの分散型台帳フレームワーク「Hyperledger Fabric v2.0」がリリース

Hyperledger Foundationが1月30日、オープンソースの分散型台帳技術「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャー・ファブリック)2.0」の公開を発表した。

Hyperledger Fabricは、金融、サプライチェーン、その他の業界における分散型台帳技術(DLT)の動向と要件を反映して、データベース、ネットワーキング、分散コンセンサス、暗号化の高度な技術を統合した実用的なDLTフレームワークとして2016年から開発が進められている。

Alibaba、AWS、Azure、Baidu、Google、Huawei、IBM、Oracle、SAP、Tencentなどの主要なクラウドサービスプロバイダーに採用されるなど、世界で最も人気のあるプラットフォームの一つだ。

Hyperledger Fabric v2.0の新機能

Fabric v2.0では、新しいアプリケーションとプライバシーパターンのサポート、スマートコントラクトに関する強化されたガバナンス、ノードの運用オプションなど、重要な新機能と改良が多数施されている。

中でも注目されるのが、スマートコントラクトによる分散型ガバナンスの導入だ。これは台帳に新たなデータを追加する際に、関係者全員の合意が必要となる仕組みで、具体的にはトランザクションに関与する全員の合意を得られなければ、台帳への書き込みをシステムが許可しないというものだ。

Hyperledgerのドキュメントによると、その他の変更点としては、新しいチェーンコードアプリケーションパターン、外部チェーンコードランチャー機能、プライベートデータの機能強化、パフォーマンスの向上などがあげられる。

HyperledgerのエグゼクティブディレクターBrian Behlendorf氏は以下のように述べている。

「Hyperledger Fabricは、人気のある実用的な分散型台帳フレームワークとしての地位を確立し、エンタープライズブロックチェーンで見られた概念化から商品化への移行の多くを推進しました。

Fabric 2.0は、企業のコアに分散型台帳機能を構築している企業向けに開発された新世代のフレームワークです。今回のリリースは、Fabricコミュニティの開発と展開の両方の経験を反映し、エンタープライズブロックチェーン普及に向けての大きな節目となるでしょう。」