仮想通貨「Tether/USDT」の裏付け資産を不正利用で約950億円の損失隠蔽
日本時間26日午前7時頃、ビットコイン（BTC）の価格がたったの30分間の間で急落した。前日比の5%安を記録となった。
この価格急落に影響を与えた理由として、米・ニューヨーク州のレティーナ・ジェームズ司法長官が大手取引所BitfinexやTether社の親会社iFinex社及びそれらの関連事業体を控訴する裁判所命令を発令した事が発表されました。
今回の発表によると、米ドルに価値が裏付けられているTether（USDT）も管理している「Bitfinex」は、「8億5000万ドル（約950億円）の損失を隠蔽する為にUSDTの裏付け資産を不正利用」していた事が発覚。
ジェームズ司法長官の発表によると、USDTに裏付けられている準備金から少なくとも7億ドル（約784億円）を不正利用し、顧客資産と企業資金を混在させていた事が調査した結果報告から明らかになったと発表されている。
ジェームズ司法長官は、今回の取引所Bitfinexおよび、Tether社の問題について、以下のような考えを述べている。
「我々の調査では、Tethe/USDTを管理している、Bitfinexプラットフォームの運営者は、混在した顧客と企業資金の8億5000万ドルの見かけ上の損失の隠蔽を行っていると判断しました。ニューヨーク州は、法律に従って仮想通貨事業を運営する事を義務付ける方法を先導してきました。そして、私たちは投資家の為に立ち上がって、これらの会社のどれかに誤解されたり騙されたりした時に彼らのために正義を求め続けます。」
そして、本日発令された裁判所命令でBitfinexとTether社に対してテザーの裏付け資産の利用を辞めるように促し、以前ニューヨーク司法長官が発令した召喚状で求められていた資産の裏付けを保証する書類の提出を求めている。
この時、仮想通貨市場ではBTCの価格が61万円台を推移していたが、30分間の間で相場が急落氏56万円台までの下落を記録している。
Bitfinexは、「発表内容を全面否定」を発表
ニューヨーク司法省から裁判所命令を受けたBitfinex社が司法長官事務所が行なった発表内容に対して全面否定する公式声明を発表した。
Bitfinex社は司法長官事務所が公開した文章は誤った主張で曖昧になっているとした上で以下の様な指摘をしている。
- 当局は850億円が紛失したと報道しているが、実際は無くなった訳ではなく、Crypto Capitalの資産は差押えられ、適切に管理されている
- 資産の取り戻しに向けて積極的に動いているところをニューヨーク当局は我々の顧客資産取り戻しに向けた動きを妨げようとしている
- BitfinexとTetherは当局に全面的に協力してきた、そして両社とも財務的に強固な状態を維持している
- 今回のようなニューヨーク当局のあらゆる行動にもを挑戦していく
このように、Bitfinex社とTether社が当局の指摘を全面否定し、「継続してTether社は健全な財務体制を維持している」と述べた。
この騒動は、今後も続く事が予想されます。本日のように急激な変動が再度起こる可能性がある為、Bitfinex社とTether社の動向から目が離せません。進展情報にアンテナを張り注目する必要があるでしょう。